篩(ふるい)に掛けられるCentOSユーザの阿鼻叫喚(あびきょうかん)が聞こえる(´・ω・`)
篩(ふるい)にかけられるCentOSユーザ
CentOS8 が予定より前倒しでEOL(End Of Life/つまりサポート終了)されることになり (2029/5予定から2021/12へ大幅短縮)、CentOSユーザが激怒する事態となっている。
何が起きているかはこちらが分かりやすい。 japan.zdnet.com
実質的に無料版RHEL(Redhat Enterprise Linux)になっていたので、 いち営利企業としてはさっさとぶった切りたいのが正直なところだったようだ。
CentOS公式ブログでは2020/12/8に発表があったが、 その半年くらい前からCentOSの浮き具合を表している記事がでていた。
画像を引用すると以下の通り。完全にCentOS邪魔者やんけ…
ということで、CentOSユーザは、このCentOS Streamへ移るか、 RHELに課金するか、他のOSに移るか…を迫られている。
CentOSの代替OS作るぜ!というプロジェクトも立ち上がりつつあるが、どうなることやら… (Rocky Linux と Lenix(仮称))
CentOS Streamがダメなのではない
これだけ炎上しているが、実はCentOS Streamがダメなのではない。
今までのCentOSとまったく違う立ち位置にいるのに、CentOSを名乗るから炎上
みんなの 思ってたんとちがう から炎上しているのである。
CentOS Stream解説記事を見ると、 rheb.hatenablog.com
CentOS Stream自体は、ある意味(セキュリティ等の意味)ではRHELより早く安全になるOSと言える。 雑に例えると、FedoraがRHELのβ、CentOS StreamはRHELのRC(Release Candidate/リリース候補)レベルのnightly版、だろう。 そうそうCentOS Stream自体に問題が起きる状況ではない。
じゃあどこに問題が発生するのか?それはもちろんCentOSユーザ側である。
既存のCentOSユーザの要望は、何も変わらないこと。 極端に言えば 出力結果の空白一つ でも変わってほしくない。 それによって、ユーザ側で動かしているシステムが止まるから。
ユーザ側で CentOS Stream並みにCI(継続的インテグレーション)を回す環境であれば問題を未然に防げるだろう。 しかし、そんなユーザはそもそもCentOSを使っていない気がしてならない(完全に偏見)。
今後への影響は
RedHat社から見れば、炎上している大半はただの非課金ユーザなので、 ぶった切ったところで大して影響ないだろう。むしろ非課金ユーザの一部が 課金ユーザ(RHELユーザ)になってくれれば利益にもつながる。短期的にはプラスだ。
長期的にはどうだろう。 長年CentOSは ちょっと古いけど無料でド安定 という扱いで、 困ったらCentOS使えばOK、と大量の非課金ユーザを獲得してきた。 たとえ非課金ユーザであっても、RHEL系OSのシェアを上げることになり、 結果的にRHELの採用につながった例も多いのではと想像する。
Linuxのシェア率を見てみると、 2020/12現在、Ubuntuが半分弱で1位、CentOSが20%弱で2位、僅差でDebianが3位、RHELは2%弱で4位、である。 ここからCentOSがシェアダウンしてくると、Debian系(UbuntuもDebian系)がLinuxのデファクトスタンダードになりそうだ。 数年後、RHEL何それおいしいの?という状況になるか、ここから巻き返すか。 今後ともCentOS界隈に注目しながらUbuntuを使っていきたい(´・ω・`)